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今回のインタビューは三星安澄さんです。かみの工作所の初代アートディレクターでもあり、グラフィックデザイナーとして活躍されている三星さん。発売以来大人気のゲーム製品「トータス」をはじめ、昨年発売した「ポストリ」などなど多くのかみの工作所製品をデザインされています。
かみの工作所を知り尽くした三星さん。紙製品のデザインの難しさ、ペーパーカードデザインコンペ2017に対する想いを語って頂きました。

カードをおくる習慣はありますか

年賀状ですかね。あと、家族にも書く場面は日常的にあります。
誕生日や記念日、ちょっと関係がギクシャクしたとき、いっぱい書くわけじゃないけど、気持ちをしっかり伝えたいと思った時、やっぱり紙に書いて渡したほうがいいのかなって思います。

アイデアを製品化することについて
紙製品は簡単に作れるけど、世にないものを仕立てようと思った時、紙という素材はけっこう難しい。ちなみにポストリは試作でダンボール数箱分の鳥を作りました。簡単に作れてしまうだけに、これだと思うものに辿りつくまで繰り返し作って繰り返し考えるという工程がどうしても必要です。
ちょっと途方もないんですけど。
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応募作品のどんなところに注目されますか
ペーパーカードは送って届いて開いた瞬間が感動の最高潮みたいなところがあると思うんですけど、届いた後の時間を考えているものだと面白いと思います。
個人的にかみの工作所はずっと「捨てられないもの」をテーマにしているようなところがあるので、カードが届いた後も置き留めていたいような、その後の生活に寄り添うものだといいですね。
また、前回の審査会の時にアイデアの根本が見えてくる前にモデルの「荒さ」が目立ってしまった作品もあったので、クオリティ重視ではないですが、仕上げの丁寧さは必要だと思いました。

応募者へひとこと

肩肘はらずにシンプルなアイデアで、そこを掘り下げていくほうが経験上いいような気がしています。難しいことを考えて複雑な加工方法で解決するのではなく、日常にあるすごくシンプルな楽しさや喜びや気持ち良さを真摯に深く掘り下げると、道はひらけると思います。
結局そういうことを真面目に追求したものが人に伝わるんだと思います。
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ペーパーカードデザインコンペ2017 エントリーはこちらから
(聴き手:ペーパーカードコンペ2017事務局)