それは小さな出会いからでした。2005年のことになります。
「福永紙工」の代表の山田明良が、近所にリニューアルオープンした「つくし文具店」を訪ねたことからはじまります。
つくし文具店の2代目店主の萩原修は、デザインディレクターでもあり、大手の印刷会社に10年勤めていたことから、下請け的な仕事から脱却したい工場の状況や、山田がアパレル業界にいてデザインの可能性を信じていたことなどから、可能性がありそうだと直感的に思います。その後、工場を訪ね、打ち合わせを重ね模索を続けます。
ちょうど同じ頃に国立にできた「国立本店」。ここは、中央線デザインネットワーク(当時は、中央線デザイン倶楽部)の拠点として、グラフィックデザイナーの三星安澄さんが店長をしていました。建築学科出身の三星さんは、紙を加工することに関心が高く、このプロジェクトに、三星さんが加わり、ロゴや販促ツールなどを手がけることになります。
プロジェクトの名前も「かみの工作所」に決まり、2006年4月に正式にスタート。
福永紙工が得意とする厚紙の加工。印刷して、型で抜く。平面的な紙を立体的にしていく。工場見学を開催したところ、グラフィックデザイナーやパッケージデザイナーだけでなく、プロダクトデザイナーやインテリアデザイナー、建築家までさまざまなジャンルのデザイナーが集まってくれ、紙を立体化することの魅力を感じます。
とりあえず、小さなことからはじめようと開催したのが「かみの道具展」。
2007年、つくし文具店の2周年にあわせて、5人のデザイナーに参加してもらい紙を加工してできる道具を提案します。
テスト的に販売した紙の道具は予想以上に好評で、つくったモノをどうやって売っていくのかの模索がはじまります。
2008年には、当時、御茶の水にあった美篶堂のギャラリーで「かみの道具展2」を開催。
6人のデザイナーの紙の道具は、どれも好評でかなりの手応えを感じます。
この時に、建築家の寺田尚樹さんの「1/100建築模型用添景セット」も発売。
その年には、ウェブサイトもリニューアルし、本格的にオリジナル製品の販売をはじめます。
2009年、2010年には、見本市「インテリアライフスタイル」に出展。
海外からの問い合せも増え、海外での販売もはじまります。
2010年に六本木AXISの地下1階のビブリオファイルでの「かみの道具3トクショクシコウ展」では、「空気の器」がブレイクし、大きな反響がひろがります。
この頃から「かみの工作所」に、仕事を頼みたいという依頼が増えはじめ、オリジナル製品の販路も増えていき、体制を見直していきます。
2011年には、テラダモケイが独立したブランドとして立ち上がり、ウェブサイトもでき独自の世界観を追求していきます。この年、地震の影響で延期になりましたが、なんとか「かみの道具4ネンチャクシコウ展」を開催。
参加デザイナーも増え、多様な商品が増え、さらに広がりがでてきています。各店舗での展示やワークショップ、企業からの問い合せも増え続け、多くの人からの期待を実感しています。
立川にある小さな工場と、デザイナーの自由な発想。
そこからはじまりひろがる可能性。
「かみの工作所」の実験は、まだまだ続きます。
2006 | 04.01 | 「かみの工作所」スタート 「ビジネスパック」を製作 |
06 | 「つくしえんぴつ」「つくしノート」のパッケージを製作 | |
2007 | 02.16 - 02.17 | 「かみの工作展」たま工業展 |
06.05 - 07.29 | 「かみの道具展」つくし文具店 つくし文具店の開店2周年にあわせてオリジナルアイテム制作 参加デザイナー andesign「adress tray」、 大治将典「WAX PAPER FILE」、sign「ひめくりゴミパック」、DRILL DESIGN 「Block TRAY」、三星安澄「かみめがね」 |
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2008 | 02.15 - 02.28 | 「かみの工作展」アシストオン原宿店 「白黒動物(EDU)」「PIECE OF CAKE PAD(オオノ・マユミ)「ことりのモビール(passkey design)」を発売 |
06.10 - 06.22 | 「かみの道具展2」美篶堂 美篶堂ギャラリー開廊以来の売上げ記録を樹立 参加デザイナー 折形デザイン研究所「内ろっかく/家ろっかく」、 梶本博司「紙の壷」、寺田尚樹「1/100建築模型用添景セット」、三浦秀彦「紙箒・紙塵取」、ミリメーター「LITE LITE」、三星安澄「めいしばこ」 |
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10 | 本格的な販売を開始 ウェブサイトをリニューアル デザイン/中村幸代 |
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10.22 - 11.17 | 「かみの工作所 cafe」国立本店 | |
10.30 - 11.03 | 「かみの工作所 cafe」Shop 様方堂(折形デザイン研究所) *デザイナーズウィークに合わせて、国立本店と同時開催 |
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2009 | 06.03 - 06.05 | interiorlifestyle 出展 |
07.20 - 08.30 | 「かみの工作所フェア」TSUTAYA TOKYO ROPPONGI | |
7.23 - 08.31 | 「かみの工作所フェア in オリオン書房」オリオン書房 立川ルミネ | |
10.30 - 11.03 | 「かみの工作所フェア」 5th Alley Studio | |
2010 | 01.29 - 02.21 | 「かみの道具展3 トクショクシコウ展」 リビング・モチーフB1F ビブリオファイル 初めて"特色"というテーマを決めてデザイン |
02.02 - 02.28 | 「紙の歩行者天国展」GINZA HANDS | |
04.06 - 04.25 | 「かみの工作所 at Museum shop 2」金沢21世紀美術館 | |
06.02 - 06.04 | interiorlifestyle 出展 ブース2コマへ拡大 |
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08.28 - 09.26 | 「かみの工作所のひとたいのかみにかけるおもい展」オン・サンデーズ | |
09.11 - 09.23 | 「SPIRAL MARKET LIMITED SELECTION」スパイラルガーデン | |
10.27 - 11.09 | 「かみの工作所 in ISETAN LIVING」伊勢丹新宿本店 DESIGN TIDE TOKYO 参加 |
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2011 | 02.01 | TERADA MOKEI 設立 |
03 | かみの工作所公式ウェブショップ「かみぐ」開設 | |
03.25 - 04.17 | 「かみの道具4 ネンチャクシコウ展」 リビング・モチーフB1F ビブリオファイル "粘着素材"をテーマにデザイン |