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今回のインタビューは野老朝雄さん。
独創的な紋様をもちいた作品の数々は、見る者に強烈なインパクトを残します。
東京2020オリンピック・パラリンピックのエンブレムデザイナーであり、
かみの工作所では「PAPER RHOMBUS PUZZLE」のデザインや
先日リリースした「空気の器」のアートワークにご参加いただいてます。

野老さんが考える、ペーパーカードの魅力についてお話いただきました。

「ペーパーカード」を送る習慣はありますか?
カードをおくる習慣はないんですけど、おくる習慣がある人は素敵だなって思います。
日常的に自然に愛を込めている感じ。
そういう生活が豊かだと思うし、そうでありたいなって思います。
子供のときは送ってましたよ。ほんと適当な絵をかいたりして。
手書きはいいですよね。

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「ペーパーカード」がもつ魅力や可能性についてどう感じますか?
高度な伝達手段が現れるほど、アナログなものが意味を成してくると感じます。
捨てたくないっていう感情や愛着を帯びていくことは、電子メディアでは生まれないもので、
それはみんなが気づいてることだと思います。
「捨てたくない」って感覚がいいですよね。
引っ越しの時でも結局持って行ってしまうみたいな。
もともと僕は「保つもの」をつくりたいと思っていて、何気なく送った「ペーパーカード」が「保つもの」に昇華していくといいなと思います。
あと、純粋に「おくる」って行為が好きです。人と人との繋がりを意味していて。
相手がいないと成立しない行為ですよね。

実はこの間、初めてテラダモケイのNo.001を使ったんです。
あれもカードみたいですね。(※テラダモケイはカードのように送ってほしいという意図があります)
もちろんワークショップなんかで使ったことがありましたけど、製品を手にとっていざ使おうと思ったら、
とっておきたいっていう気持ちが勝って長年使えませんでした。
意地でもとっておくぞって思わせるものって、それはもう宝物ですよね。

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作品のどんなところに注目されますか?
あまり構えないでいようと思っています。
こういうのがあったらいいな、みたいな先入観はもたないで臨みます。
素の状態でみて、作品からジワジワと伝わるものをキャッチできるようにいたいと思います。
良い作品はそういう力を持っていると思っているので。
作品のクオリティに自信がない方もいると思うんですけど、
製品化になった際に機械を通せば解決するわけで、そんなに気にすることではないと思う。

まあ、出来はいいほうがいいですけどね。

ペーパーカードデザインコンペ2017のエントリーはこちらから
(聴き手:ペーカーカードデザインコンペ2017事務局)